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■ 患者と医師の信頼関係を築くこと
患者さんの予後、つまり残りの人生は、どのような治療法を選択するかどうかによって大きく左右されてしまうのです。そのためにも告知の問題は避けられない問題です。すでに述べたように、医師は患者さんがどのような治療を希望されているかとは関係なく、自分の経験した医学知識の中で全ての治療を決定してしまう傾向が多く見られます。
患者さんに病名を告知して詳しく説明したり、どのような治療法を選択するかどうかを患者さんに委ねたり、相談したりする医師は少ないのが現状です。とくにガンのような難病に対しては、ひとつの治療法だけで100%治ってしまうような完全な治療法は、現代の医学レベルでは存在しません。西洋医学でも集学的治療といって手術療法、化学療法、放射線療法などを組み合わせて治療を行っています。
日本においては、最近では以前と比べると多少変化が見られますが、大学病院のような大病院に行けば行くほど、西洋医学的な治療法が主体になります。それ以外の治療法、たとえばホリスティックのような治療法についてはまったく知らないか、たとえ知っていたとしてもそれを認めることはないようです。そこでは自然に治療法を選択する幅も狭まってきます。しかし、どのような治療法を選択するにしろ、まず治療を受ける患者さんが十分にその治療を納得して、自ら自分の自然治癒力に働きかけるように努力する必要がある、と私は考えています。
現在、インフォームド・コンセントが強く叫ばれていますが、そこでは治療を受ける側の気持ちを十分に汲みとり、治療を受ける患者さんと治療を行う医師とが相互に信頼関係を築くことが大切です。社会が複雑になればなるほど、物事が多様化し本質がより不透明になっていきます。病気についても科学的に細分化するだけでは、その本質が見抜けなくなってきているのです。
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